2007年度のイベントの開催記録

 「近大養殖魚ふれあい祭り-みて さわって 科学しよう!」 (2007/8/25 開催)
【実行委員長による祭りレポート】
<はじめに> 「近大養殖魚ふれあい祭り─みて さわって 科学しよう!」を2007年8月25日(土)に水産研究所白浜実験場で開催いたしました。若手研究者によるシンポジウムは2005年度より毎年開催され,COEプログラムの最終年度である本年度で3度目となりました。これまでの若手研究者によるシンポジウムは,専門知識を持たない方にCOEプログラムの研究成果や養殖研究について理解してもらうような試みがなされてきました。本年度はCOEプログラムの研究成果や養殖研究の面白さ,難しさや大切さを一般の方に理解してもらうことを目的としました。そのためには,話や映像だけではなく,より双方向性で,実際に研究対象を見て,触れて,より身近に考えてもらう必要があると考えました。そこで,我々は水産研究所白浜実験場において海上養殖生簀の見学や給餌,室内での養殖研究の基礎となる実験を行うことを決めました。
<スケジュール> 「近大養殖魚ふれあい祭り―みて さわって科学しよう!」は2部構成で行いました。第1部は「実際の養殖現場をみてみよう!」というタイトルで,海上生簀の見学および給餌,船着場において淡水浴による寄生虫駆除見学,水質分析・サンプリングおよび寒さ浦飼育棟の見学を行いました。第2部は「養殖魚をさわって科学の第一歩をふみだそう!」というタイトルで,養殖仔稚魚の観察,魚類耳石の採取観察,養殖魚の成熟・採卵・受精,養殖生簀の水質測定・観察,マグロの流通映像の5つの実験および上映を行いました。参加者層 主な広報活動は,ホームページの立ち上げ,農学部および水産研究所ホームページへのリンク,昨年度サイエンス・カフェ参加者への案内,奈良および白浜・田辺地区へのポスター掲示,新聞・テレビにおける案内を行いました。50人を上限とした事前申し込みが,シンポジウム開催前に既に予定を超え60人近くの申し込みがありましたが,キャンセルもあり,最終的には参加者は53人でした。3歳から60歳以上の定年退職された方が参加されました。開催時期が夏休みであることからも,家族での参加もありました。広報の効果から,開催地の白浜町近辺だけではなく他府県からも参加していただきました。当日は新聞社の記者も2名参加されました。後日「近大養殖魚ふれあい祭り」の様子が新聞に掲載されました。
<ふれあい祭り全体> 13時から報告者による開会の挨拶および趣旨説明から「近大養殖魚ふれあい祭り」が 始まりました。実際の海上生簀の見学においては,養殖魚が餌を食べる様子に歓声を上げて見学・給餌されていました。アンケート結果からも,海上生簀の見学・給餌が最も楽しかったという評価を得ました。非常に印象に残る体験であったと思います。また,船着場生簀における淡水浴や寒さ浦飼育棟の見学も比較的好評でありました。厳しい日差しの中,食い入るように淡水浴を見学されている様子が印象的でした。第2部は,5つの実験および上映を本館および新館に分かれて行いました。子供から年配の方まで,魚を手に取り解剖し,水槽内の魚や,顕微鏡を通して観察されたプランクトンについて,若手研究者の説明を熱心に聞き入る様子が印象的でした。マグロの流通映像についても多くの方が見学されていました。見学や実験中は,参加者は多くの質問をされていました。また,実験で手に付いた魚の匂いに喜んでいた高校生たちにとってもすばらしい体験になったに違いありません。16時45分に報告者による閉会の挨拶で「近大養殖魚ふれあい祭り」を無事に終えることができました。
<新たな発見および課題点> 同様のイベントが開催された場合参加を希望するかというアンケートに対して,78%の方が参加したいと回答されました。さらに,養殖魚に対するイメージは変わったか?についてのアンケートでは,76%の方が養殖魚に対するイメージが良くなったと回答されました。そのうち約半分の方が大変良くなったようです。アンケート結果の好評,そして何にもまして,怪我・事故・トラブル無く終えられたことで,今回の「近大養殖魚ふれあい祭り」が成功したのではないかと考えております。後日,参加された3歳の子供さんから養殖魚の絵を描いたお礼状を頂きました。直接手渡ししたいということで直接白浜実験場へ持って来られました。「近大養殖魚ふれあい祭り」を無事に終えることができて本当に良かったと思います。この成功は,熊井先生,村田先生,家戸先生,海上養成スタッフ,白浜実験所事務部はじめ水産研究所の全教職員の皆様,滝井先生,塚正先生はじめCOEシンポジウム委員の先生方のご理解およびご協力の賜物です。時に暖かく時に厳しく見守っていただき深謝申し上げます。  最後に,実験や論文執筆等でお忙しい中企画立案段階から我慢強く頼りない委員長にお付き合いいただき,時に厳しく励ましていただきました若手研究者の皆様に心より御礼申し上げます。皆様のご協力と忍耐がなければ無事に終えることができなかったと思います。皆様と協働できたことは一生の思い出でございます。そして,飼育棟の掃除,看板作り,ポスター貼り,鮎輸送等の準備をいやな顔せず楽しく付き合っていただきました白浜実験場のゆかいな仲間たちに心より深謝申し上げ,報告を終わります。
(白浜増殖グループ PD 中川至純)
近大養殖魚ふれあい祭り告知ページ

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